有馬に始めて行ったのは30年以上前になる。その後、何回行ったのであろうか。金泉の洞穴風呂、ぼこぼことわく温泉の音が響き、温泉お化けがでるといわれる地下風呂では1人は少し無気味。小高い裏山の上にあった露天風呂からの満天の星は疲れを忘れさせてくれた。谷崎潤一郎も長く逗留したとのことで、「猫と庄造と二人のおんな」という飼い猫との交流が描かれている小説の一文にも有馬温泉が少し見える。
「それは二人が人目を忍ぶ仲になり出して間もない時分、ある日滝道の終点で落ち合い、神有電車で有馬に行って、御所の坊の二階座敷で半日ばかり遊んで暮らしたことがあったが、涼しい渓川の音を聞きながら、ビールを飲んでは寝たり起きたりして過ごした、
楽しかった夏の日のことを、二人ともはっきり思い出した。」
御所の坊は日本建築の陰翳の豊かな宿だ。谷崎の好みの温泉宿のような気がする。
「それは二人が人目を忍ぶ仲になり出して間もない時分、ある日滝道の終点で落ち合い、神有電車で有馬に行って、御所の坊の二階座敷で半日ばかり遊んで暮らしたことがあったが、涼しい渓川の音を聞きながら、ビールを飲んでは寝たり起きたりして過ごした、
楽しかった夏の日のことを、二人ともはっきり思い出した。」
御所の坊は日本建築の陰翳の豊かな宿だ。谷崎の好みの温泉宿のような気がする。
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